バーダックは『ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦〜フリーザに挑んだZ戦士 孫悟空の父〜』で初登場した オリジナルキャラクターで、ラディッツ、カカロット(孫悟空)兄弟の父でもあります。
バーダックはサイヤ人の最下級戦士の生まれで、度重なる激戦と死線を潜り抜けてきたことによって、戦闘力は10000前後と、 エリート戦士のサイヤ人にも引けをとらず、その勇猛さはサイヤ人の間では有名だった。同じサイヤ人で親友のトーマらが敵わなかったフリーザ軍兵士を一撃で葬り、 数十人のフリーザ軍兵士の攻撃をいなして相手の裏をかき同士討ちを誘発させ、瀕死の重傷を負った状態でも拳を振るう精神力など、 戦歴に裏付けられた高い戦闘能力を持っている。
サイヤ人戦士バーダックの一味はカナッサ星を攻めていた。大猿と化したバーダックたち5人のサイヤ人によって、カナッサ星は一夜にして陥落した。 翌日、仲間から「息子の誕生祝い」などとからかわれながら休憩を取っていたバーダックに、カナッサ星人最後の生き残りであるトオロが襲い掛かる。トオロは油断していたバーダックに不意打ちを浴びせ、バーダックの仲間たちの攻撃を食らいながらも「お前に未来を予知できる幻の拳を放った。未来を見てせいぜい苦しむがいい」と嘲笑いながら絶命。その直後にバーダックは意識を失ってしまう。 カナッサ星の制圧の報は、それをサイヤ人に命じたフリーザの元へと入る。しかし、名もない下級戦士たちが予定より1ヶ月も早く惑星の制圧を完遂したことで、フリーザの側近ザーボンは、個人では大した強さを持たないが、徒党を組むことでとてつもない力を発揮するサイヤ人たちに対して危機感を抱き始め、フリーザと側近のドドリアの前でそのことを吐露した。 数日後、バーダックの傷はほとんど完治していたが、脳波に異常があると診断された。次の命令は惑星ミートの制圧に決まったが、トーマら仲間たちはバーダックの容態を気遣い、彼を残して出発する。フリーザによってサイヤ人が滅ぼされるという夢を見た後意識を取り戻したバーダックは、仲間に置いていかれたことを知って自分も惑星ミートに向かおうとするが、その途中で保育器の中で寝かされていた自分の息子、すなわちカカロットとの初めての対面を果たす。奇妙な夢との関わりが気になりつつも、息子の戦闘力がたったの2と知り、失望して「クズが」と言い残してその場を去ってしまう。 そしてバーダックは惑星ミートに到着するが、その時既に惑星ミートではドドリアとその部下たちがトーマたちを攻撃した後で、バーダックが到着した頃には仲間はほぼ全滅していた。虫の息であったトーマは、バーダックにフリーザの裏切りを伝えて絶命する。真実を知ったバーダックはトーマの血で真っ赤にそまった布をはちまきとして頭に締め、その場に残っていた敵に戦いに挑む。そしてこれを倒すが、直後に現れたドドリアの攻撃で重傷を負う。 傷つきながらも惑星ベジータへの帰路についたバーダックは、フリーザが惑星ベジータに向かっていることを確認する。今まで自分が見てきた奇妙な夢が、全て真実であったことを悟ったバーダックは、惑星ベジータに到着するとフリーザに立ち向かうために仲間のサイヤ人たちに呼びかけるが、彼らはバーダックの言葉をまるで信じようとはせず、逆に笑いものにされるだけだった。ついにバーダックは一人でフリーザと戦う事を決心。自分自身の運命、惑星ベジータの運命、そしてカカロットの運命、未来を変えるために フリーザへ単身での決戦を挑む。惑星ベジータに接近するフリーザの宇宙船にむかうが、フリーザの部下たちに接近を阻まれながらも奮闘し、やがて姿を現したフリーザに渾身の力を込めたエネルギー弾を飛ばす。しかしフリーザが惑星ベジータに向けて撃ち放ったエネルギーの球体によりバーダックのエネルギー弾はそれにかき消され、自身もなす術もなく飲み込まれた。絶命する直前、二十数年後にカカロット=孫悟空とフリーザが対峙するという予知夢を見て静かに微笑み、我が子の名前を叫びながら、惑星ベジータと運命をともにした....
公式作品以外にもバーダックはさまざまなアニメオリジナル展開で登場します。
特に「エピソードオブバーダック」では、彼が生き延びて過去の惑星に飛ばされ、超サイヤ人に覚醒するというストーリーが描かれています。
このような作品では、原作では描かれなかったバーダックの別の可能性や英雄的な側面が描かれ、ファンの間でも高い人気を博しています。